K18ホワイトゴールドのバングル
2013年 09月 05日
先月納品したバングルです。
彼女へのお誕生日プレゼントとの事でご依頼頂きました。
素材は18金ホワイトゴールド。
そして、緩やかなカーヴを描く二本の黄金線にはイエローゴールドをさして模様を際立たせています。メッセージにも金色を。
二本の曲線は波のように交わったり離れたりしながらゆったりと伸びて行きます。
合間にはダイヤを少し飛ばしました。
そして黄金線の終わりに刻まれるのは、
熱いメッセージ。。
でしょうか。
メッセージに込められた本当の意味と言うのは、ご依頼主からそのお相手の方にのみ通じるもの、なのかも知れません。
だから、この意味するところは何でしょーかね~?
なんて野暮な質問はね…
してしまいましたが。。
だって、的外れなデザインをしてしまうといけないので心配で~…。
今回のご依頼主様、お若い方には珍しく、やり取りはメールではなくほぼ電話のみ。
お耳で受け取る情報だけが頼りなので私も聞き取りに必死です。。
私
「入れるメッセージが、、はい、トゥー…で、はい、はい、red waves…?んーと、これ赤い…波…?えーとこれ、意味は~…」
お客様
「あ、意味は色々あるんですけど…」
あ。
えへ。。野暮ですみません。
と、いう事で、、
その後、密かに意味を英語の先生に聞いたりしましたが、
本当のところはわかりませーん。
いいの。
で、
今回このバングル、何に1番時間がかかったって、、
ズバリ、磨きでーす。
通常、ホワイトゴールドはロジウムメッキをされた製品が多いのですが、こちら、やや重めの硬質な光沢をもつ鏡面部分はメッキなしのホワイトゴールドそのものの色味です。磨けば光るとは良く言ったもの。渋い良い色でしょー。金にパラジウムの入った配合です。
まず素材を調達した段階ではこんな色、艶もありません。
それをひたすら磨いて行きますよ。
そこに模様を彫り、メッセージをレーザー刻印し、バングルに形作り、また磨く磨く磨く。。
次に金を全体にかぶせて、まっ金金に大へんしーん!
んで。
これ、殆ど取っちゃうぞ。
磨く道具はバフとかリューターとか、グルグル高速回転する機械にブラシやフェルトなどを取付けて磨く方法もありますが、、
それだとブラシの先や研磨剤が模様と文字の溝にも入って、せっかく入れた金の部分も取れちゃうよー。
だから。
どうするかって、使うのは「手」です!
ペーパーやすりもって、シーコーシーコー…
超硬ヘラもって丁寧にキズ取り艶出しツルンツルン…
布に研磨剤付けて平らな所に置いて、手で押し付けながらシーコーシーコー!力入れてピーカーピーカー!
(繰り返し)
ほーら。こうすれば、金色が抜ける心配なく仕上げが出来るじゃーん!
ひゃっほーい!
さ、さ、最後に石留を慎重にして頂きましょう~。
こんちはー。石留めお願いします〜。
あ、ダイヤを留めた後、一切触らないで下さいー。仕上げはこちらでしますからねー。宜しくお願いします~。
あと、色々書いておきます。。
細かくってすんませーん。
「職人だな。。」
と、石留やのおじさんに言われました。
製作工程を相談したり話したりして、大変お世話になっている親方さんです。
え。
親方こそ、職人さんでしょ。
職人さんにしみじみ呟かれるほど、私って職人なんだ?ふーん。。
「先生(←私の名前を覚えない石留やさん、私をこう呼びます…)はこだわりやさんだねぇ。」
ん?
凄くこだわりがあるように思われているようですが。。
こだわりで時間のかかる事やっているワケじゃないの。
今回も他に良い方法が思いつかないから、手で磨いただけだし。
時間かければ、なんとかなるからね!
仕事遅いから磨きだけで丸一日以上かかったけれども。
それだけよん。
これ、こだわりなのでしょうか?
by STUDIOTSA
| 2013-09-05 03:04