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物を作る仕事のわりに、こだわりが無いのがどうもいけないような気がするSのつぶやき。


by STUDIOTSA
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物質+α。

物質+α。 _c0222103_16114029.jpg

まだまだ寒い日が続きそうで、本格的な春は一体いつになるのやら…と言った感じですが。
店頭には春物が並び(あ、納品…)展示会では来シーズン物を考えたりしていると、次に何の季節が来るのか混乱して分からなくなる時がある。
さて。これは、春らし〜い女の子らし〜い蝶をモチーフにしたネックレス&ピアス。
素材は18金、石はドロップ型のマルチ(ファンシー)カラーサファイアを使っている。
サファイアって(だけじゃないけど)沢山の色があるのねー。
鉱物名としてはコランダムと言って、美しい赤で有名なルビーも同じ種類になる。
色の違いだけで、ルビーだけが異なる石名になっちゃうの?不思議だわ。
ま、実際には混入する成分(微量の鉄だのクロムだの)の違いが色に反映するらしいので、全く同じ物ではないのか…。
相方AちゃんとワタクシSのようなものかしらん?
DNA鑑定では同一(相違見当たらず?)と出る。けれど、色も違うし別物です!と、少なくとも本人達は思っている。
同じ宝石でも産地によって色味が違ってきたり、呼び名が違ったりして…。当然なのかも知れないけれど、そこにこだわる方々はいらっしゃる。
石を人に例えたら、生まれ育った土地が違えば人のタイプも違ったり、ましてや国が違えば肌の色や体型も考え方も大きく違って来たりする。
そう考えると産地にこだわって当然、と言うよりも、違いを見ない方がおかしい、と言う気もしてくる…。
カラーストーン(カラーダイヤ含め)に於いては、産地で色味が異なるとすれば、そこにこだわる事は理解がしやすいような。
でも無色透明のダイヤモンドに於いても、購入の際に4C(カラー、カット、クラリティー、カラット)のレベル付けの他、産地にもこだわる方がいるとか聞いた。
専門家でもなければ「どうでもいいでしょう、天然で綺麗なら!(って、実際はそれが分かるだけでも大変か…)」と言いたくもなるが、世の中それだけでは満足しない方々もいるらしい。
全くの無色、正確無比なカッティング、キズや内包物の完全な否定…、求めるレベルが上がる程、個性はなくなり産地の違いが意味をなさない気がして来るが…、どうなのかしら。
それでも、カットはベルギーが良いとか今はロシア産が良いとか、南アフリカ産は質が良いとか。最近はどちら産のが良いとかって色々な意見があって…。
ん。あれ…?で、どこが良いって話だったっけ?
…私、全く覚えてないでーす。
こう言う人には話す価値ないですよ、ね。
まぁ。いくらお店や業者の方に聞いたって、本当の本当には自身で採掘にでも行かない限り、真実は分からなーい。と私は思う。。
それを言っちゃーおしまいか。
買う方が聞いて安心したい、出来るだけ良い物を購入したい、という気持ちは分かる。
けれど、あんまり知識情報にこだわると、
五感(六感?)が死にまっせー。多分。
そうすると、牛肉じゃないけれど、産地偽装なんて簡単に起こる気がするのです。
とか言って…、私も石の鑑定人ではないし、詳しくないので、不安が無い訳ではない。
さて…。では、あまり知らない場合、一体どうすりゃいいのかなーと考える。
最終的に自分に出来るのは、やはり色々見比べる事しかないかなぁ、と。そして、勘(直感)?
あー、そんなアテにならないものを…でも、頼りにしちゃう。
産地やクオリティなどの情報を色々と聞いた場合も、それらを頭に入れつつ最後は自分の目でよく見るしかないのかなと。
これ、以外と難しい事。先に入った情報が、モノをよく見る力や感じる力を奪う場合もかなりある。と思う。
ダイヤモンドは品質と出所を証明するシリアルナンバー(さらにブランド名なども)なんかがレーザー刻印された物もあるけれど…、ガードルやら表面やらに彫られた番号をルーペで確認する作業が「目で見る」って事なのかい?それ見て安心するの?
宝石なのに、ロマンが無〜い…と思う。
ロマンの前に保証や安心をくれと?その気持ちも分かる…。宝石って難しい。
でも、投資目的でなければ、物を買う時は何かしらのロマンを感じて決めたい私。
ロマンって何?
まぁ、言ってみれば「夢」を見させてくれるかどうかかなー、と。
…胡散臭いですか?騙されたいのかって?違います!
かの有名な「呪われたブルーダイヤモンド(ホープダイヤ)」なんてのがあったけれど。
あれ、特大サイズに於いての質はもちろん最高級だと思われる。
でも…、「持ち主となる者には必ず不幸が訪れる…」って有名な逸話の大部分は、宝石商カルティエの作り話らしい。
信じる人もいるかもしれないけれど、私は作り話に一票〜。
だって、不幸な作り話が大金持ちの興味を引き付けて購入を決めさせるなんて、お金持ちの心理って不思議〜。その方が話として面白いや。と思う。
(でも…。私は、買いません。冗談でも不幸なお話には絶対乗りたくありませーん!と、そんな機会もありませんが。)
ま、要するに。
購入を決めた億万長者は、まず「信頼出来る、力ある宝石商から」という大前提はあるけれど、それプラス「面白い!その話(ロマン)に乗ったわ!」って事ではないかと。
正直、不幸になる話をとことん信じて買う馬鹿はいないと思う。多分。
「まさかぁ〜」と思いつつも、ちょっと怖い、でもそそられる「夢」みたいな要素がある「最高級品」に惹かれたんでしょ。と、勝手に想像…。
その時、購入者は何を買ったのかって「物質+α(夢?ロマン?)」ではないかしらん。
この+α、生活必需品以外の買い物には必要な、重要な要素かもしれないなーと思ったり。
+αに何が来るかは、人それぞれ。
心満たす何かが必要。物を作る側の責任でもあるかもしれません。
by STUDIOTSA | 2010-02-18 16:11 | 仕事