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物を作る仕事のわりに、こだわりが無いのがどうもいけないような気がするSのつぶやき。


by STUDIOTSA
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アートって。

アートって。_c0222103_1643491.jpg

これは、メキシコに行った時に案内してくれた人が好きで集めていた絵描きさんの作品。
ガラクタ市場みたいなところで本人が売っていた。普段は覆面レスラー(メキシコの伝説的レスラーらしいが…?)ばかり描いているようで、私が唯一買えるのがこの聖母さんだったな。レスラーは沢山あったんだけどね…。でも色使いとか素敵でしょう。確か¥700くらいだった!泣ける安さ〜。
ガシガシ凄い勢いで描いて迷いは無さそうに見える絵だけれど…。
さて、迷える自分が普段制作の参考にする為に開くのは、ジュエリーの本の他に持っている画集だの雑誌だの色々。
アンティークジュエリーの本もよく眺めるけれど、いつも感じてしまうのは、ジュエリーについて思い付くアイディアや技法は、本当に全てやり尽くされているんだろうなぁ…と言う事。制作にかけられた時間や素材の品質なんて考えちゃったら、現在の高級ジュエリーとされる物だって、まぁまぁ…ってレベル?
それでも私が作ろうと思うのは、自分の創作の楽しさと、何かが欲しいと思うちょっとした物欲の気持ちがあるからかしら?
でも、もし私がマハラジャみたいな大金持ちだとしたら(はい、妄想始まり…。)、これらの本をカタログにお買い物をして満足。いや…、ちょっと石変え等のアレンジをさせるかね?あと、自分の肖像でも刻印と一緒に内側に彫らせてみたりして。これは小さいからルーペでないとよく見えないの。それから、紋章入りのケースはもちろんそれぞれのジュエリーに合う特注品を作らせて、ケース内にはジュエリーのイメージで作った詩などを誰かに書かせてみたり…。とか思う。
ん?マハラジャにしては発想が貧困?そんなにお金持った事がないからな…。お金使うのも想像力が必要だわね、難しい〜!
と、それは眠っている時に悩むとして…。
普段自分が制作の参考に覗く物を挙げてみると…
集めた資料(写真、読物など)、未制作の落書きメモ、図鑑系(動植物、機械、模様などの)、日本の伝統工芸物の本(簪、根付け、屏風絵など)、持っている画集色々、ジュエリーの本、彫金などの技法書、それから時々ファッション誌(数年過ぎた物が結構面白い)、持っている数少ない写真集、外に出てお店(洋服、インテリア、雑貨、本屋など)、テレビは殆ど見ないけれど、ネットをふらふらと見る。
そして時々映画、かな。
正直、離れていると言いづらい、けれども、確かにご無沙汰で参考にならない、していない事に美術館、美術展に行く…と言うのがある。
知り合いの展示会には行ける時は行きたいし出かけます。が、美術館、美術展は…大学卒業以来、気が付いたらほとんど(国内のは)行かないようになってしまった。
何故だろう?
正直、美術がわからない私…。ワカラナ過ぎてドキドキしちゃう。
接していないから尚更かしら。
特にダメなのが大々的に宣伝する企画展。 かなり有名な絵画や彫刻が来るものもダメ…。
何故か。まず人が多い、多過ぎる〜。正直、ここ数年行かないので現在を知らないけれど。
それから、宣伝以上の作品がなかったりする…。切り取られた部分を箱に並べられた感じ。
これは海外から持って来る企画展示に多かった。そして1番の理由は、魅力がよく分からない…。
昔、学生の頃は、行きたいと言うよりも行かねば、との思いで行っていた。都内以外にも箱根や水戸や色々と。びくびくしながらの画廊巡りもした…。
現代美術なんて言われる類いも見ようとした。美手帳なんかも買ってみたり…。(あ、この前10年振りくらいに本屋で見た美術手帳はコム・デ・ギャルソン特集だった。ファッションブランドの特集とは…時代が変わったのかしらん?)
で、美術館やギャラリーで見る美術は…よく解らなかったな!
知識不足。確かにそうかも。でも、知りたいと思える魅力も感じなかったよ。アートって何〜??
美大で油絵科に入ったけれど、絵もあまり好きではない事が発覚し、どうすりゃいいの?と言う時期に彫金を趣味で習い始めた私。まずは簡単なアクセサリー彫金から、次に伝統彫金。
そう、この仕事を始めるきっかけは、逃げからだね…。ま、逃げで10年以上続いたら上出来でしょう!
彫金を始めて、「これだよ!!」と思った。ま、逃げだからね、思い込みたいのね。
きっちり作っている感覚と、難しい技法の習得、素敵な道具の数々。銀や金など使う材料の魅力。そして出来た物が身につけられる喜び。
なんて解りやすい魅力、それでいて創造する面白さも難しさもある。
これが私の思っていたアートってヤツじゃないでしょうか?!
一応アーティストにならねば、と思っていた美大生S。アーティストと言うより職人?な方向に…。
でも、でも、イタリア語で職人はArtigianoと言って、Arte(アルテ=技術)を持つ人の事。
この「Arte」はアート(芸術)の意味もある。技術無しに表現は成し得ない、そう言う事でしょう。だから私間違ってなかったよ。多分。うん。
ま、そんな感じで自信の無かった技術も徐々にでも身について来た感はある(なんて言っちゃってダイジョブか〜?)。
そろそろ表現力を広げる為に、ご無沙汰していた美術館に出掛けてみるのもアリなのか、な。人波に揉まれるのは、キツイので空いてそうな所からね…。
by STUDIOTSA | 2009-12-06 16:04 | 仕事